春、雪の日

東京、2020年春。わたしたちの世界に疫病が蔓延していた。 世界中の多くの人が家にとどまることを余儀なくされ、多くの表現者たちも同様、ネットを使った表現活動に制限されていた。 友人のアーティスト/ダンサーである桑原史香さんの新作ワンピースの展示『指先のダンスのために』(サロン夏休み at Amleteron)も延期を経て、無期限延期となった。3冊の本を題材にしたワンピースを3着作るという企画だった。 3月末に予定されていた展示のための写真と映像の撮影も延期となった。 ワンピースのモデルを予定していていたパフォーマー/ミュージシャンの高橋牧さん、僕、ふみかさん、3人、皆そっと家にいて、けれど「それぞれの家で何か作れればいいかも」「牧さんは朗読などしたら?」「それに映像とか写真とか家で撮ったり…?」「ワンピースの素材なども何か使かったり」などと、やりとりをしていた。 3月28日夜、牧さんが朗読のテキストを送ってくれて、それに映像を付けるという話をした。テキストはポールギャリコの「雪のひとひら」。雪のはじまりを語る美しい朗読を聞いて眠り、目が覚めると、春を向かえていた東京に、雪が降っていた。 ————— 朗読、歌 高橋牧 映像 前澤秀登 (https://www.hidetomaezawa.com/) 花柄 桑原史香 (http://fumikakuwabara.net/) 監修 アマヤフミヨ (Amleteron http://amleteron.blogspot.com/ https://www.instagram.com/amleteron_/ ) 『指先のダンスのために』によ

from "Picnic 2011/ bq"

2011年5月、出会ったその子は、いつもマスクをしていた。 ときに「N95」と仰々しく書かれたマスク姿には、あの日から日常を簡単に取り戻すことを一人抗っているかのように見えた。 彼女は一人で、来たるべき近未来SF小説に幾度も描かれてきたディストピアに生きているように見えた。僕は少し遊びのつもりで、シリアスなものではなくファッションフォトのような感じで、これら寓話的な写真を撮ることを提案した。いつかこんな風にピクニックをする時が来るかもね、と。 あの日の悪夢は、今も決して終わってはいない。 そして、予言が当たったわけではなく、もう一つ別の運命がこの春、私たちの世界に訪れることとなった。 Starring: Fumika Kuwabara

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